安全だからこそ楽しめる恐怖のはずが・・・

この写真、手前の捜査員の左肘の下、「f」という表示が取り付けられている縦方向の手すりに血糊が付いています。転倒した車両の角度から考えると、この手すりに亡くなられた女性の上半身が激突したのでしょう。
そもそもジェットコースターは間違いなく絶対に安全だと確信できるからこそ楽しめるのであって、「もしかして壊れるかも・・・」と思えば誰も乗りません。そういう前提を覆すかのような今回の事故は遊園地経営の根幹にかかわる重大な事故といえます。
今まで死亡事故が起きなかったからこそ更に安全点検を徹底する必要があるのに、運営側の意識の中で「死亡事故なんか起こるわけがない」「金属製の車軸が折れるわけがない」と思い込んでいた、ということはないでしょうか。
今回の事故を教訓に全国の遊園地運営にかかわる全ての企業が「機械だから壊れることもある」「人間のやることだから間違いはある」ではなく、神の定めた運命をも変えるほどの徹底した安全運行を未来永劫行うことが亡くなった女性に対するせめてもの供養でしょう。
遊戯施設の安全管理責任者は「絶対」というコトバをもう一度強く噛み締めるべきでしょう。責任者は全能の神をも凌駕する能力を以って安全管理を行う責務があるという事実を自覚してもらいたいものです。
記者会見に出てきた社長からはそのような強い責任感のオーラを全くと言っていいほど感じませんでしたがね。
まあ、残念ながら世界中探しても「神の定めた運命なんかこのオレが捻じ曲げてやる」という気迫で安全管理を行っている責任者なんて現実には一人もいないでしょうけど。
このヒトもエンジニアの意見よりもコストだの利益だのを絶対視するタイプの古臭い経営者だったんでしょうか。
ところで、社長さんたちは会見でメーカーの製造責任に触れていますが、事故を起こした「風塵雷神」は実際にはこのヒトが社長をつとめる「泉陽興業」が実質的設計と製造を行ったらしいですから、運営会社のエキスポランドの社長としての責任も含めてこのヒトに逃げ道は一切ないみたいですが。
亡くなられた女性のご冥福をお祈りするとともに、怪我をされた方々の一日も早い回復を祈るばかりです。
大阪の遊園地でコースター車輪脱落、1人死亡21人重軽傷 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞) より
5日午後0時50分ごろ、大阪府吹田市千里万博公園の遊園地「エキスポランド」で、走行中のジェットコースター「風神雷神2」(6両編成、乗客22人)の2両目の車軸が折れて車輪が落下、車体が大きく傾き、乗客の女性がレール沿いの鉄柵に頭部を打ちつけて即死、21人が重軽傷を負った。事故を目撃した12人が気分の悪さを訴え、病院で手当てを受けた。
国土交通省は「営業中のジェットコースターの死亡事故は聞いたことがない」としており、6日、事故と同型機を使う全国のジェットコースターの設置者に対し、緊急点検を指示する方針。
同遊園地は、2月にジェットコースターを解体検査した際、車軸の超音波検査をしておらず、府警捜査1課は、安全管理の不備が事故につながった可能性があるとみて業務上過失致死傷容疑で吹田署に捜査本部を設置、6日に現場検証する。
調べなどでは、コースターは、全長1050メートルのコースを、2本のレールを各5つの車輪で上下左右からはさみ込んで走行する。定員24人で、1両あたり4人が前後に2人ずつ立ったままで乗り込む。
事故では、2両目左側の車輪を支える金属製車軸(長さ約40センチ、直径約5センチ)が乗降地点の手前約200メートルで折れ、車輪がレールから外れて落下。このため、車体が左側に約60度傾き、2両目左前部に立っていた女性が鉄柵(高さ1メートル)に激突した。
同遊園地によると、事故時の速度は約30キロと推定され、コースターは乗降場所の約50メートル手前の地上約6メートル地点で自然に止まったという。
コースターは、遊具メーカー「トーゴ」(倒産)製で、1992年から運転。同遊園地は、年1回の解体検査のほか、目視による毎月の定期点検や日々の始業前点検を行っている。ところが、今年2月の解体検査の際は車庫が空いていなかったため、超音波で車軸内部の傷などを確認する検査を見送り、今月15日に実施する予定だったという。
同遊園地には、この日正午には約5000人が入場。親子連れらが事故を間近で目撃し、場内は一時、騒然となった。京都市の女子短大生(19)は「車体から塗膜片や楕円(だえん)形の部品が落ちた直後、2両目が1両目に乗り上げるようにして止まった。2両目の左端の人が頭から血を流していた。事故の約15分前に乗った際には、ガガガという異音が激しかった」と話していた。
同遊園地は事故の約1時間後、すべての遊具の運転を取りやめて臨時閉園した。6日も休園する。
コースターは、90年に大阪市で開かれた「国際花と緑の博覧会」会場で人気を呼んだ「風神雷神」をモデルに開発した「絶叫マシン」。地上40メートルから45度の傾斜を急降下したり、回転を繰り返したりのアップダウンの激しさが人気を呼び、休日には1時間前後の乗車待ちができるという。
一方、国土交通省は、緊急点検で、設置者の遊園地や商業施設に、建築基準法などで定められた安全基準に車軸や軌道などが合致しているかなどの確認を求める。
投稿者 青柳 洸 at 午前 12時05分 社会その11 | Permalink
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